コスモスについて



2005.9.29
今年の様子です

※○数字は2004年の花と比べた様子です。


中央の部分が八重の様になっている白A

中央の部分が八重の様になっているピンクB

花びらの隙間が大きめのピンクC系

今年も花びら(ガク)のないものがでました。D

シーシェルになりそうな・・一昨年撒いたシーシェルに近い新D

普通のピンク

花びらの形が微妙に複雑新D系??

白C系

極、小さなコスモス@


2005年のコスモス

今年のコスモスの様子です。携帯電話の画像なので、不鮮明ですが、花びら(ガク)がない花がみられます。

庭に咲くコスモスについて、珍しい種類のものが咲いたので調べてみました。
まず、咲いているコスモスは下記のようなものです。

以下2004年分

(画像をクリックすると大きくなります。)




特にDのコスモスは花びらがなかったので、不思議に思い、調べてみました。

基礎生物学研究所の塚谷裕一先生に、下記のようなメールをいただきました。

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まずコスモスの花の構造ですが、「花」と思われている部分は、「花序」といって、たくさんの花の集まりです。ヒマワリと同じですね。で、「花びら」と思われている部分は、1つ1つが花で、しかも5枚の花びらが合体して長くなった「舌状花」です。一方、芯の黄色い部分は、5枚の花弁が短く、筒状に合着していて、先端でそれぞれ分かれている花、「筒状花」の集まりです。この辺は、ほぐしてから1つ1つ丁寧に見ていただければ分かります。
 さてシーシェルという系統は、この舌状花が、少し筒状花的になった園芸品種です。つまり、舌状花のくせに(色は舌状花のピンクないし白のまま)、5枚の花弁が筒状になっていて、しかも長いものです。
 お訊ねの系統は、これに八重咲き(本当の八重ではなく、筒状花が舌状花に置き換わる性質です。本来コスモスやヒマワリは、花序の外側1周分しか舌状花になりませんが、八重だと何周分か舌状花が続くわけです)の性質が重なったものです。コスモスと同じキク科の、菊の園芸品種の用語で言うと「丁字咲き」あるいは同じくキク科のダリアの用語で言うと「アネモネ咲き」というタイプにあたります。この時、八重咲きの性質で筒状花が舌状花になると共に、シーシェルの性質で花弁が筒状になったわけです。さらに、舌状花の性質が強ければ、全体にピンクや白になりますが、筒状花の性質が強ければ、黄色になるわけです。
花のタイプの取り変わりですね。
これでお分かりでしょうか?舌状花と筒状花は、実は花が左右対称か、放射総称(点対称)かという違いもあります。もし機会がありましたら、拙著『植物のこころ』(岩波新書)に触れてありますので、ご覧下さい。

「花びらのない」方の説明
これは、さっきの「八重」の逆です。舌状花が筒状花になってしまったわけですね。
 ちなみにコスモスや向日葵、ダリアの「萼」は萼ではなく、たくさんの花をまとめて包み込む総苞片です。本当の萼は、舌状花や筒状花の根元にそれぞれありますから、花をほぐしてからルーペなどでご覧下さい。

本当にお忙しい中、ありがとうございました。


来年はどんなコスモスが咲くか、いまから楽しみです。


やはり、塚谷先生のおっしゃっていた通り、シーシェルがこんな感じに咲いてきました。
花びらのように見える部分がとても小さいです。(2004.9.27)


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